June 22, 2009

以前、『半島を出よ』の出版を記念して、村上龍がNHKに出ていた。

インタビューの終わりに、アナウンサーは「なるほど、この本は現代の日本人に対して鋭く警鐘をならす~、~」といった具合にまとめようとした。

ここで村上龍は、「うん、そういう風にまとめちゃうのが一番よくないと思うんですよね。まとめちゃうと、考えがそこでとまっちゃうじゃないですか。だから、まとめないでも、いいんじゃないですかね」と言葉を遮った。

アナウンサーは相槌をうち、コーナーを終えるため「なるほど、この本のテーマは一つではなく、読んだ皆さん自身に考えてもらうことが大事だということですね。本当に、今日は、どうも」と締めくくろうとした。

村上龍は苛立ち、また考えながら「だから、そういう風に、まとめて終わらなくても、いいじゃないですか」と言葉を差し挟み、そのままテレビの中ではテレビ的方法での解決を否定された、どうしようもなく曖昧な時間が残された。

このとき、テレビは、出ている人も、見る人も考えることを強制される、極めてテレビ的でないものになっていたように覚えている。